映画『シサム』を観てきました / 人の争いを無くすには等、いろいろ考えさせられました

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今回観てきた映画は『シサム』という邦画です。

目次

1.あらすじ

この映画は、アイヌとの貿易を生業としている松前藩の孝二郎が、使用人の善助に兄を殺害されるところから物語が動き出します。
兄のかたき討ちのため善助を追いますが、返り討ちに会い、瀕死の所をアイヌ人に助けられます。
そこでアイヌの人々に親切にされ、親交を深めていくのですが、和人とアイヌ人の対立に巻き込まれていきます。

2.アイヌの歴史

今回所感に入る前に、簡単に勉強したアイヌの歴史について紹介したいと思います。
インターネット調べのため、間違いがあるかもしれませんので、ご了承お願いします。

3.所感

「シサム」とはアイヌ語で「隣人」や「良き隣人」という意味とのことです。
この物語は、アイヌ人と和人の歴史を通して人の善悪、他民族や他民族の文化に対する理解や尊重の難しさ、立場の違う他人や身内とWIN WINの関係を築く難しさ、憎しみを抱く愚かさ、人を許す難しさ、答えのない明日に向かってどう生きていくか等、色々考えさせる映画だなと思いました。
僕は、ゴールデンカムイを見て、アイヌの事に興味を持ってはいたのですが、全然理解できていなくて、この映画を見終わった後、アイヌの歴史について少し勉強してみました。
そこから推察すると、時代背景としては、江戸時代初期~後期にかけての歴史を参考に、少しアレンジを加えて作られたのかなと思いました。
ゴールデンカムイは明治時代に入ってからの話かなと思っています。
映画の冒頭にお兄さんがさらっと「米の価値が上がっている為、交易用の米の量を少なくしている」と言っていましたが、史実ではかなりえげつなかったようです。
和人とアイヌ人との抗争は、シャクシャインの戦いを参照していると思われ、時代背景から考えると主人公の孝二郎は相当長い間アイヌの人に世話になったのだと推察します。
さんなアイヌの人達と親交を深めた中、アイヌと和人との争いに巻き込まれて、どちらの気持ちも分かるし、心根が優しいのでどちらも裏切れないという葛藤に苦しむ姿を見て、自分ならどうしたらいいのか考えてみましたが、自分にも分りませんでした。
でも主人公は、武力もパッとせず、仕事の才も兄には遠く及ばないものの、自分なりの問題解決の方法を見出して行動に移す姿はすごいなと思い、応援したくなりました。
最後のくだりは、史実に登場する「松浦武四郎」をモデルにしているのだろうと思いました。
史実では明治時代になってもアイヌの人々にとって決して幸せなものではなかったのかも知れませんが、アイヌの人々にとって、希望の人だったんだろうなと思います。
今世界の各地で戦争が起こっていますが、もっと他人を思いやり、助けあえる世の中になればいいなと思いました。

映画『シサム』予告編

アイヌ人物誌 ーー松浦武四郎原著「近世蝦夷人物誌」

4.備考

■劇場公開日
 2024年9月13日
■監督
 中尾 浩之
■キャスト
松前藩
 高坂孝二郎  寛一郎   松前藩の武士。蝦夷地でアイヌの人々に命を救われる。
 高坂栄之助  三浦貴大  松前藩の武士。交易の旅に同行する孝二郎の兄。
 善助     和田正人  アイヌに関わる秘密を守るため栄之助を殺害
 みつ     古川琴音  孝二郎の幼馴染
 高坂まさ   富田靖子  孝二郎の母
 伊助     山西惇   孝二郎の旅の船頭
 大川     緒方直人  孝二郎の先輩の松前藩士
 平助     要潤    善助が密書を渡す約束をしている謎の男
アイヌ
 アクノ    平野貴大  孝二郎を救う村のリーダー
 イカシコトシ 藤本隆宏  和人反発派の村のリーダー
 シカヌサシ  坂東龍汰  和人に反発心を抱くアイヌ青年
 リキアンノ  サヘル・ローズ アイヌの村に嫁いできた女性
 ヤエヤムノ  佐々木ゆか アクノの娘