日本株のセクターを意識した分散投資について / 分散投資で資産を失うリスクや不安を和らげよう!

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出典:イラストAC

個別株投資などでよく「分散投資」が大切だというけど、分散投資って何?いったい何を分散させるの?という疑問がわいてくると思います。
投資には不動産や株式、債券、金(ゴールド)等のコモディティなどがあり、これら「投資商品」に対して、複数の商品に分けて投資する事も分散投資の1つです。
また、買う「タイミング」を分けるのも分散投資の1つだし、アメリカや日本等「地域」を分けるのも分散投資の1つです。
今回は、日本株の「セクター(業種)」を意識した分散投資を紹介します。
今回の内容が、みなさんの個別株を購入する時の参考になれば幸いです。

目次

1.分散投資の必要性
2.日本株のセクターを意識した分散投資の考え方
3.高配当株投資における注意点

1.分散投資の必要性

資産を堅実に増やすためには「分散投資」と「長期投資」が基本だと考えます。
それは、この2つは『資産を失うリスクや不安』を低減してくれる投資方法だからです。

「分散投資」がリスクを低減してくれる理由は「卵は1つのかごに盛るな」の考えです。
1つのかごに全部の卵を入れていたら、そのかごを落とした時に全ての卵を失ってしまうけど、別々のかごに分けて入れておけば、もし1つのかごを落としてしまってもその他のかごの卵は無事だからです。

長期投資についての考え方はまた別途記載します。

投資は「資産を失う恐怖」とどう向き合うかが長続きさせる秘訣だと思います。
分散投資は「一気に大儲け出来ない」というデメリットはありますが、資産減少の影響をやわらげる効果があります。
投資の舞台から離脱するのは、大抵資産の減少に「資金的」にも「精神的」にも耐えられなくなった時だと思います。
投資の舞台に長く居続ける為にも分散投資は必要だと考えます。

2.日本株のセクターを意識した分散投資の考え方

株式投資においても資産減少リスクを低減させるうえで大切なのは、「買うタイミングの分散」「買う地域の分散」「買う銘柄の分散」といった分散投資だと思います。
この中でも、一番難しいのは「買う銘柄の分散」ではないかと考えます。
単純に「好きな企業の株」や「配当の高い株」、「成長性の高い株」といったものを購入していると、いくら複数の企業(銘柄)に分散して買ったと思っていても、実は有効な分散になっていない場合があります。

では、企業(銘柄)のどこを意識して分散すればいいのか? それは、「セクター(業種)」です。
なぜセクターを意識する必要があるか?というと、景気の良し悪しや、物価の高低に影響を受けて株価が変動する時、同じセクターの銘柄は同じような値動きをしやすいからです。
だから、持っている株が同じセクターに偏っていると、その株の値動きが悪い方向に振れた時、大きく資産を減らしてしまうリスクが高まります。

では、どのようなセクターを意識すればよいのか?
それは「景気に敏感なセクター」と「景気に敏感ではないセクター」を意識して分散する事です。
景気の変動に敏感な銘柄を「景気敏感セクター」、景気の変動にあまり影響しない銘柄を「ディフェンシブセクター」と言ったりします。
景気敏感セクターの代表的な業種には、鉄鋼・非鉄金属・科学などがあります。
ディフェンシブセクターの代表的な業種には、食料品・医薬品・情報通信業などがあります。
景気敏感セクターは、景気の変動で配当が「ブレやすい」ので、高配当株投資をする場合、景気敏感セクターの比率は抑えた方が良いと思います。

また、「セクターローテーション」という考え方を取り入れてみるのも良いと思います。
セクターローテーションとは、景気が上昇したり下降したりのする「景気の変動」を、【好況】【後退】【不況】【回復】の4局面に区分した時に、それぞれの局面で有望なセクターに投資対象を切り替えていく投資戦略です。
これを高配当株投資などの「セクター分散」に取り入れると、景気変動に対する「分散投資」に有効だと考えます。
◆セクターローテーション

◆景気循環のイメージ図
景気循環イメージ図
このように、景気循環と銘柄の関係を意識しておくと銘柄選定の役に立つかと思います。
いろいろな資料やデータを基に、日本株の代表的な業種分類(東証33業種)に対するセクターローテーションと景気の敏感度について、以下の表にまとめたのでご参考ください。
◆東証33業種に対するセクターローテーションと景気敏感度の区分表
景気敏感度とセクターローテーション
ちょっと調べるデータ元によって差異があったり、分類が微妙なところもあるのですが、考え方としては参考になるかと思います。
そして、これらの考え方を意識して銘柄分散すれば、景気の変化による資産減少リスクは軽減できると思います。
ただ、注意が必要なのは、投資はどれだけリスクを分散していても、資産が大きく減少する可能性はゼロではないので、自分が耐えられるだけの投資金額にしておくことをお勧めします。

3.高配当株投資における注意点

長期、分散投資で、配当金(インカムゲイン)を期待した投資である高配当株投資は、株価の値動きを予測しなければいけないキャピタルゲイン狙いの株投資と比べるとリスクの低い投資ではありますが、株投資という観点から考えると、決してリスクの低い投資ではないということを理解しておかなければいけません。
でも、投資への心構えや投資についての勉強をしながら、自分の許容範囲内で、ゆっくり資産運用をすすめていけば、投資初心者でも少しずつ不労所得を生み出す資産(マネーマシーン)を大きくしていくことは可能だと考えています。
そこで、高配当株投資におけるセクター分散の注意点を記します。
①あまり配当利回りが高い銘柄ばかりにこだわり過ぎない。
理由:こだわりすぎると、どうしても同じセクターに偏り過ぎてしまうから。
②業績が堅調な銘柄を選ぶ。
理由:今高配当だとしても、業績の悪い企業は、いずれ「減配」や「無配」に転じてしまう恐れがあるから。
③銘柄(企業)は50銘柄以上に分散するのが良い。
理由:10~20では、分散が不十分だから。優秀な投資信託やETFも、50~数百の銘柄から構成されている。
④一気に理想的な分散を考えない。
理由:少しずつゆっくり理想的なポートフォリオに近づけていけばいいから。

正直なところ、投資には正解は無いと思います。
ただ、自分がどれだけ不安なく、長く続けていけるかがポイントになるかと思います。
皆さんの投資に少しでも役に立てることを願っています。

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